COLUMN
コラム

なぜ、災害時にトイレ・シャワーの整備が必要なのか

清潔な避難環境が健康と命を守る

災害時にトイレやシャワーを整備することは、避難生活の健康を守り、災害関連死の予防につながる大切な取り組みです。

トイレが汚れている、遠い、使いづらい。こうした環境では、排泄を我慢したり、水分や食事を控えたりしてしまうことがあります。また、断水によって手洗いや歯みがき、身体を洗うことが難しくなると、普段続けている衛生管理も十分に行えなくなります。

食料や飲料水、寝る場所とともに、安心して排泄でき、手や口、身体を清潔にできる環境を確保することが必要です。

トイレを我慢しなくてよい環境が、健康を支える

避難所のトイレは、数があれば十分というわけではありません。

混雑している、夜間は暗い、段差がある、周囲の視線が気になる。高齢者や子ども、介助を必要とする方にとって、利用の負担が大きくなる場合もあります。

その結果、トイレに行く回数を減らそうと、水分や食事を控えてしまうことがあります。

厚生労働省は、トイレが整備されないことなどによって水分摂取が減り、脱水や尿路感染症などの健康問題につながるおそれを示しています。膀胱炎も、尿路感染症の一つです。

トイレの整備では、利用人数に応じた数に加え、照明、動線、プライバシー、介助のしやすさ、清掃体制まで考えることが大切です。安心して利用できる環境を整えることが、排泄や水分摂取を我慢しない生活を支えます。

手洗いを続けられる設備と物資を確保する

避難生活では、多くの人がトイレや設備を共用します。食事の前やトイレの使用後に手指を清潔にすることは、感染症対策の基本です。

そのためには、手洗いの必要性を呼びかけるだけでなく、実際に洗える場所と物資を準備する必要があります。

手洗い設備、衛生的な水、石けん、ペーパータオル、手指消毒薬。さらに、使った水を適切に排水できることや、物資を補充する体制も重要です。

流水で手洗いができない場合は、アルコール手指消毒薬を活用します。ただし、ノロウイルスなど、アルコール消毒だけでは十分に対応できないものもあります。可能な限り石けんと流水で手を洗える環境を確保し、状況に応じた対策を行いましょう。

口腔の清潔も、避難生活の健康に関わる

水が不足すると、歯みがきや入れ歯の手入れを控えてしまうことがあります。

厚生労働省は、避難生活では口腔内の清掃不足に、食生活の変化や水分不足、ストレスなどが重なり、口の健康に影響が生じやすいとしています。特に高齢者では、体力低下も重なり、誤嚥性肺炎などを起こしやすくなることへの注意を呼びかけています。

避難所の水回りを考える際には、手洗いだけでなく、歯や入れ歯の手入れができる洗面環境も必要です。

歯ブラシなどの衛生用品と、口腔ケアに使う衛生的な水を確保し、日常のケアを続けられるようにすることが大切です。

シャワーと着替えの場所が、身体の清潔と尊厳を守る

避難生活が長引けば、汗や汚れを洗い流し、清潔な衣服に着替えられる環境も必要になります。

特に、排泄後の陰部の清潔、生理用品やおむつの交換、介助を伴う身体のケアなどは、人に相談しづらく、困りごとが表に出にくい部分です。

シャワーの整備では、身体を洗う設備に加え、安心して脱衣・着替えができる場所も考えましょう。施錠、目隠し、衣類や衛生用品の置き場所、介助のためのスペースなどが、利用しやすさに関わります。

シャワーを使えない期間には、身体を拭くための清拭用品や下着、生理用品、おむつなどによって清潔を保つ支援も欠かせません。

利用する方の身体状況に合わせて、洗身や着替え、必要な介助を受けられる環境を整えることが、健康と尊厳を守ることにつながります。

清潔な避難環境を整えることは、災害関連死の予防につながる

災害関連死には、避難生活での身体的・精神的な負担、持病の悪化、医療の中断など、さまざまな要因が関わります。

清潔で使いやすい水回りを確保し、感染症や脱水などの健康悪化を防ぐことは、災害関連死の予防につながる環境整備の一つです。

安心してトイレを使えること。手を洗い、口や身体を清潔にできること。無理なく着替えや介助を受けられること。

こうした日常のケアを続けられる環境は、避難生活を支える基盤です。

災害発生後は、多くの対応が重なります。その中でも衛生環境の整備を後回しにしないために、平時から設備、物資、管理する人の役割まで準備しておく必要があります。

衛生設備を補う選択肢としてのコンテナ

既存施設のトイレや洗面設備、シャワーだけでは不足する場合、衛生設備を備えたコンテナを活用する方法があります。

トイレ・シャワーコンテナは、避難所周辺や企業の敷地内などで、必要な衛生機能を補う選択肢の一つです。用途や利用人数に応じて、トイレ、シャワー、手洗い・洗面、脱衣スペースなどの構成を検討します。

導入にあたっては、給水・排水・電源・給湯の確保とともに、清掃、換気、衛生用品の補充、利用時間などの運用を整理することが重要です。

平時から使用・点検し、災害時の使い方を確認しておくことで、必要なときに活用できる備えにつなげます。

よくある質問

Q1.災害時に、トイレの清潔さや使いやすさが重要なのはなぜですか?

災害時にトイレが汚れていたり使いづらかったりすると、排泄を我慢し、水分や食事を控えることがあります。脱水や尿路感染症などの健康リスクを減らすためにも、清潔で安心して使えるトイレ環境が重要です。

Q2.災害時の衛生対策は、手指消毒薬があれば十分ですか?

手指消毒薬だけでは、災害時の衛生対策は十分ではありません。石けんと流水による手洗いを基本に、トイレの清掃、排泄物の適切な処理、口腔ケア、身体の清潔などを組み合わせる必要があります。

Q3.シャワーを使えない場合は、どのような備えが必要ですか?

シャワーを使えない期間に備え、清拭用品、清潔な下着、生理用品、おむつなどを確保しておくことが大切です。身体を拭いたり着替えたりできる、プライバシーに配慮した場所も必要です。

Q4.トイレ・シャワーコンテナは、断水や停電のときも使えますか?

断水・停電時に使用できるかは、コンテナの仕様と、給水・排水・電源・給湯の確保方法によります。コンテナ本体だけで自立して稼働するとは限らないため、ライフラインが使えない状況も想定した確認が必要です。

Q5.避難生活の衛生環境づくりをご相談ください

避難所のトイレや洗面設備を補いたい。シャワーや着替えの場所を確保したい。企業の防災対策として、従業員の衛生環境を整えたい。

株式会社ピースノートでは、用途や設置条件に応じたトイレ・シャワーコンテナのご相談を承っています。

設置予定地、想定利用人数、必要な設備、希望時期など、分かる範囲でお知らせください。具体的な仕様が決まっていない段階から、ご相談いただけます。

トイレ・シャワーコンテナの導入について相談する

トイレ・シャワーコンテナの製品情報を見る

【参考資料】

内閣府 広報誌「ぼうさい」第111号「トイレ備蓄忘れていませんか?」

厚生労働省「被災地での健康を守るために」

厚生労働省「災害時の感染症対策」

株式会社ピースノート